ソウル・清渓川(チョンゲチョン)そぞろ歩き

 2008.10.2〜4 私的に参加している「近自然工法研究会」でソウルの清渓川を視察に行った。
 清渓川は現大統領の李明博(イ・ミョンバク)氏がソウル市長のときに公約して実現させたプロジェクトで、老朽化した高速道路を取っ払い、蓋をされ下水化していた都心の川を約8Kmにわたって復活させたものです。
 

10/2 清渓広場〜世運橋

 清渓川の起点となる清渓広場から歩きはじめる。巻貝のようなモニュメントはちょっと異様な感じ。国旗カラーの赤と青の縞模様が少々くどい。

 モニュメントの根元。普段はここから水が流れ出して、源流を 表している。今日は、明日の建国記念日のイベントの準備のため水が出ていない。

 清渓広場の敷石の上には清渓川を形どった細い溝があって、モニュメントからの水が流れているそうだが、今日は広場全体にテントや椅子が置かれていて、見ることができず残念。

 広場の横にスロープがあり、そこから川の流れに降りる。 車椅子でも降りられるようになっているが、スロープの手すりは2段にはなっていない。

 広場の端の池から滝となって水があふれ出し、ここが清渓川の始まりになる。滝の上に組まれたステージの足場が邪魔で残念。

 清渓川の水は主に漢江から汲み上げて濾過したもので、1日12万トンが昼夜を問わず流されている。

 赤いボードの裏に上の写真の滝がある。

 滝の下の流れの中に早くも魚が泳いでいるのが見られてビックリ!放流したものかと思ったが、そうではないらしい。魚の影はこの後 、あちこちで見られた。

 細いスリットからも水が流れ出ている。

 清渓川に架かる最初の橋、毛廛橋。一番長さの短い橋。

 毛廛橋の下の川底には、橋を照らすライトが埋められている。

 二番目の橋、広通橋。古くからの橋だが、1959年の覆蓋工事により道路の下に埋められてしまい、今回の清渓川復元で本来の場所から155m上流に復元された。清渓川が自然の復元とともに、歴史文化の復元とも言われる象徴的な事例。
(右手に並んでいるのはイベント用のオブジェ)

 広通橋下の彫刻。何を表しているのかは分からないが、他にもいろいろな模様があった。

 モニュメンタルな広場の区間は意外に短くて、すぐに両側に柳が植えられた自然風の流れになる。
 上流区間は川幅が狭く、流れも速い。そのため上流は川底に石が敷き詰められている。
 ミゾソバ。

 翌日、ここを管理する公社の人に聞いたのだが、ひとりでに生えたものもあるが、ほとんどの植物は雑草も含めて、植栽したものとのこと。

 ところどころ広場的な整備がされていて、憩いの場になっている。
 広橋のたもとにある川への降り口。

 このような降り口は新踏鉄橋までの5.84Kmの間に全部で31ヶ所。
 このうち写真のような階段式が23ヶ所。車いすでの出入りが可能なスロープ式が8ヶ所あるとのこと。各降り口の間隔は約300m。

 イベントのためか、いろいろな飾りやオブジェが現れる。
 上流部には落差工も設けられている。落差工はこのような石造りの階段状のものがほとんど。
 石張りの壁が続く。壁の中はボックスになっていて、下水道が入っている。
 なぜか所々草が刈ってある。柳なども大きくなったものは枝打ちがしてある。自然風とはいえ、ある程度の植物管理もされているようだ。

 水際には木枠が組んであって、そこにヨシやオギなどの植物が植えられているようだ。

 タイルに焼き付けられた「正祖班次図」。

 1795年(正祖19年)に正祖の母親の還暦を迎え、父親の墓地のある華城(現在の水原)へ向かう行列を描いたもの。
 壁画の高さは2.4m、長さが192mもある。

 立派な輿が正祖大王のものかと思ったら、これは母親のもので、王様の乗り物は当時の約束事で描かれていない。
 母親の輿の後ろに空白があるが、ここに王様の乗り物があることになっているらしい。
 所々飛び石があって、対岸と行き来できる。手すりはもちろんないが、皆、楽しんで渡っている。
 記念スタンプ。

 全部で何か所あるか知らないが、他でも1ヶ所見たし、清渓川文化館にも置いてあった。

 長通橋下の石組み。川岸は柳の植栽が多いが、部分的に石組みがあって、変化をつけている。
 オオイヌタデ
 三角洞ウォータースクリーンの対岸の広場。ピンクの腰かけはLOVEの文字になっている。

 滝のそばに寄ると少々下水の臭いがする。水から臭気を感じたのはここだけ。

 滝の下の飛び石には太陽電池式のライトが埋め込まれている。
ラ イトが灯るとどんな感じになるか興味津々で夜行ってみたが、周りが明るいのでほとんど目立たず、いくつかライトが切れているのもあった。
 ベンチの数は少ない。水際の石段に腰を掛けられるので、そちらで十分なのかもしれない。
 右岸側の遊歩道の方が1〜1.5mほど高い所を通っている。理由は分からないが、変化があっておもしろい。
 左岸側には下水道が設けてあると書いたが、ソウルの下水道は合流式(下水と雨水が同じ管を流れる)なので、降雨で下水が増水した時に清渓川に下水が流れ込む口が設けてある。フラップゲートになっていて、下水が増水すると自動的に開くらしい。
 ちょうど下水道で工事をしていて、覗くことができた。
 ヨメナ?
 傘のオブジェが面白い。これも建国記念日のイベント用か?
 こんなオブジェもあった。仮設か常設かは不明。
 世運橋上流の噴水。

 世運橋で今日の行程は終了。ホテルはここからすぐのところ。明日は世運橋から歩き始める。

 

PART 2 へ

 
inserted by FC2 system