銚子ヶ峰(ちょうしがみね)                    [白山周辺] 1810m

 

  「山歩会」で薬師岳、北ノ俣岳へ行く予定だったが、天気が下り坂で前日に中止になった。午前中はもつだろうという天気予報を信じて、かわりに日帰りで石徹白の奥の銚子ヶ峰に行くことになった。

 石徹白の白山中居神社から先の林道は以前は砂利道だったが、今は舗装がされてて狭いながらも安心して走れる。途中、山側が崩れている所もあったが、どうということもなく通過できた。
 登山口には立派な駐車場があり、休憩所やトイレまでできている。もともとは白山信仰の美濃側のメインルート「美濃禅定道」の一部であり、歴史のある登山道である。登山口からすぐのところに天然記念物の「石徹白の大杉」があることから、巨樹巨木巡りの人気もあって 訪れるは多いのだろう。
 今日は天気が芳しくないので駐車場には5、6台止まっているだけだ。
 

 登山道はいきなり石段ではじまる。入口に420段あると 立札が立っているが、あまり知りたくない情報だ。落葉樹の中をひたすら登る。段数はわからないが、意外に早く「大杉」の根元にでる。

  大杉は少し開けた、やや下がり気味の斜面に、ドンと立っている。幹周り14m。あの縄文杉が16.1mだそうで、全国的にも5、6番目にランクされる。

 しかし、迫力はすごいが、幹だけという感じで、あまり杉の木という感じがしない。上の方には何本も落葉樹が着生していて、よけいに杉の木らしくない。柵に沿って少し右手に回ると、葉を付けた枝が下がっていて、やっと杉であることが実感できる。
 ガイドブックの写真には何本もの支えがしてあるが、今はそれらしいものは無い。支えるべき枝が落ちてしまったのかもしれない。
 樹勢はいいのか悪いのかよくわからないが、長く生き続けてもらいたいものだ。

 
石徹白の大杉

 
 登山道は大杉の先で斜面を登り、やがて緩やかな尾根道になる。ブナが目立つようになるが、このあたりのブナは細いものが多い。一度、伐採されているのかもしれない。
 紅葉はまだまだといった感じで、やっと緑が色あせてきた程度。ところどころに混じるムシカリの赤い実が、もう夏ではないことを教えてくれる。

 地面や倒木、立ち木にもきのこがいろいろ生えているが、種類はさっぱり分からない。

ガマズミ(オオカメノキ)の実

 
 登山口から2kmの標柱を過ぎると、「おたけり坂」というこのコース唯一の急登になる。坂の途中に白山開山の泰澄大師の母が血の雨、槍の雨をしのいだという岩があるが、雨宿りできそうな隙間はない。

 坂の上もまたなだらかな道が続く。少しガスが晴れてきて、左手の谷の対岸に銚子ヶ峰の前衛峰が現れた。その奥にすこし覗いているのが銚子ヶ峰のピークだろう。このあとまたガスがかかり、二度と山頂を見ることは出来なかった。
 

谷越しに前衛峰を望む
 
 道の脇にアキノキリンソウとリンドウが目立ち始めてきたら、神鳩避難小屋の前に出た。真新しいピカピカの小屋だ。中を覗いてみると、トイレはもちろんのこと、シュラフや石油ストーブまで備えてある。良からぬ輩に盗まれはしないかと心配になる。

 外のテーブルでHaさんからゼリーを頂く。しっかり凍っていて、シャーベットのよう。美味しかったが腹が冷えた。

神鳩避難小屋
 
 なおも尾根道を進む。少し溝状の道になっている上に、岩が混じっていて歩きにくい。下りでは滑りそうだ。

 ガスがだんだん濃くなってきて、視界が利かない。周りの樹が低くなってきて、風が当たるようになってきたが、あまり寒くはない。

 少し急な坂を上りきると大岩の母御石がある。これにも何か謂れがあるのだろうな。

母御石
 母御石を過ぎるとまた傾斜は緩くなり、笹原の中を行くようになる。ガスでよく分からないが一面笹原のようだ。ひと登りで山頂に到着。大きな山名盤が鎮座していて、360度の展望が利くようだが、残念ながら全く何も見えない。

 入れ替わりに夫婦連れが下山していき、山頂にはうちのグループだけ。まあ、仕方ないのでお昼にする。展望は利かないがワイワイやっていればたちまち1時間が過ぎてしまう。Haさんからはイカ飯、Maさんからは食後のコーヒーをご馳走になる。山歩会のお昼は豪華だ。
 昼食の間、一人も登ってこなかった。

オヤマリンドウ
 下山しかかると、つかの間、ガスが晴れた。確かに広い山頂で一面の笹原だった。晴れていればさぞ気持ちがいいだろう。

 道の脇にアカモノの赤い実がたくさんあるので、ひとつ摘んでみる。種ばかりだが、かすかに甘い。
 大杉の近くではマタタビも収穫。Suさんはマタタビ酒を目的にたくさん採っていた。

山頂付近の笹原
 
 大杉まで戻ったら、とうとう雨が強くなってきた。早く降りたいが、石段は滑る。恐る恐る下って、なんとか駐車場に到着。
 大杉は見られたけれど、白山は見られなかった。石徹白源流の山々も見たかったなあ。10年くらいたったらまた来よう。

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[山行日] 2004/9/18(土) 
[天気] 曇りのち雨
[アプローチ] 東海北陸自動車道 白鳥I.C. (R156)→ 郡上市前谷 →(県道)→ 石徹白白山中居神社 (林道)→ 白山登山口   [約30km]

・登山口には意外に大きな駐車場あり。20台くらいは駐車可。トイレ、休憩所、水場もある。
[コースタイム] 登山口 (0:10) 石徹白の大杉 (0:50) 2Km地点 (0:35) 神鳩避難小屋 (0:30) 母御石  (0:20) 銚子ヶ峰山頂 (0:40) 神鳩避難小屋 (1:10) 石徹白の大杉 (0:10) 登山口    (計4:25)
[地図] ノ峰(1/25000)

 

[ガイドブック] 「マイカー登山ベストコース[名古屋周辺]」 山と渓谷社
 
[温泉] 満天の湯   TEL0575-86-3487
・白鳥高原スキー場入口の向かいにある温泉。
・入浴料 700円
・ボディーソープ、シャンプー、ドライアーあり。
・露天風呂の外はウイングヒルズスキー場。
・今年は毘沙門岳の帰り、野伏ヶ岳の帰りに続き3回目の入浴。

   
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