ヶ原湿原( いけがはらしつげん)                    [飛騨] 980m

 

 飛騨古川に泊まって、翌日、白木峰を目指した。白木峰は岐阜と富山の県境にあって、山頂に湿原が広がり、その上、かなり高い所まで林道で上がれるために人気のある山らしい。日本三百名山にもなっている。
 登りが少ないので、帯状疱疹の病み上がりにはちょうどいいと考えた。

  ところが国道41号から河合村で国道360号に入り、少し行って国道471号に分かれたところで通行止めの標識に出くわしてしまった。なんと、富山県側でがけ崩れのため通行不可とのこと。41号に戻って八尾町に回って北から入ることも出来なくはないが、ものすごい大回りになる。

  諦め切れずに県境まで行ってみたが、これがすごい国道でほとんど1車線。舗装はしてあるものの、路肩が崩れてトラ柵が置いてあるところもある。県境あたりから小白木峰に登る手もあるが、この国道の状態で意気消沈。しかたなしに、お手軽代替案として宮川村の池ヶ原湿原に行くことにした。

  無舗装の林道を東に走り、万波高原を経て、471号よりもよっぽど程度の良い村道を抜けて宮川村の打保に出た。湿原へは国道360号から2通りのルートがあって、北回りは4WD向きとあったので、国道を10Kmほど南下して南から入ることにした。ところが国道から湿原に入る分岐にまた通行止めの看板。今日はつくづくついてない。再び打保まで戻って北から林道に入る。

  道は狭いものの途中には集落もありさほど悪い道ではない。途中から工事中でダートになるものの無事湿原の駐車場に到着した。ふー。

 駐車場には林道工事の飯場があるだけで他に車はない。ミズバショウの頃にはすごい人出だそうだが、今の季節は静かなものだ。簡単な身支度をして湿原に向かう。

  白樺の混じる林を下ると流れを渡ってすぐに湿原の木道に入る。ところが湿原は一面のスゲ、ヨシの原っぱになっている。狭い木道の両側からヨシが覆いかぶさってトンネル状態だ。見通しがきかず広々とした湿原の雰囲気は全くなくてがっかり。それでも足元をよくみれば、タデやキリンソウの仲間の小さな花が目に入る。
 

湿原の端っこはこんな感じ 木道にヨシがかぶさる


  湿原は面積が22haもあるそうだ。狭いとはとても思わないが、そんなにあるようにも感じない。のんびり湿原の一番奥のミズバショウ群落地までいっても大した時間はかからない。ミズバショウ群落地にもあのミズバショウ特有の大きな葉っぱはあまり見られない。

  帰りは木道の分岐を東に折れて湿原の脇の山腹の道を戻る。カメバヒキオコシの群落やサラシナショウマなどが見られる。トチノキの大木もあり、根元に大きな丸い実が落ちていて、割れ目の中からつやつやした栃の実がのぞいている。

  山腹の道はなかなか湿原に戻らず、ずっと林の中を続いている。白樺林が右手に見えたので、そろそろ出口かと思うとそれも通り過ぎてしまった。おかしいなあ、とガイドブックを出してみると 、正しいみちは途中で大きくカーブして湿原に戻っている。道はずっと踏み分け道程度だったので、どうも分岐を見落としてしまったらしい。でも、新しい足跡が続いているのでどこかに出るだろうと、そのまま 進んだ。えぐれた沢を渡り、くもの巣を払ってなんとか林道へ出ることができた。やれやれ。
 駐車場まで林道を歩いて10分程だった。
 

池ヶ原湿原と周辺の花

アケボノソウ(リンドウ科)
 
タチフウロ(フウロソウ科)
 
オオシラヒゲソウ(ユキノシタ科)
 
アカバナ(アカバナ科) カメバヒキオコシ(シソ科) サラシナショウマ(キンポウゲ科)

 


[山行日] 2003/9/15(月・祝) 
[天気] 晴れのち曇り
[アプローチ] 飛騨古川. (県道41号、360号)→ 宮川村打保 →(林道)→ 池ヶ原湿原P   [約35km]
・駐車場あり。あまりきれいではないがトイレもある。
 
[コースタイム] のんびり1周して1時間くらい。
[ガイドブック] 「東海 花の湿原紀行」 風媒社

   
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