御船山( みふねやま) [佐賀] 207m |
JR佐世保線の武雄温泉駅の高架のホームから南西方向に変わった形をした山が見える。漢字の「山」の字にも見えるが、方向によっては舳先と艫が反り上がった舟にも見えることから「御船山」と呼ばれている。佐賀へ出張したついでに簡単に登れそうな山として、この山に目星をつけていた。 |
前日泊った武雄温泉の楼門前から出発。天気はいいが、割と冷え込んでいる。昨日は冷たい時雨が降った。宿の仲居さんは今年で一番寒い朝だと言っていた。 |
御船が丘梅園は入口の説明板によれば、戦前に満州の子女を招いて日本婦道を教えた団体が開墾した場所だそうで、かなり歴史があるようだ。ちょうど梅の花が見ごろで、道路から見下ろすと霞のように御船山の麓に広がっている。 |
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御船が丘梅園から見上げる山頂 |
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梅園の中を抜けていく |
不揃いな石段を少し登ると右手に赤い祠がある。これが稲荷大明神らしい。ここからは石段もなくなり、細い山道が上へ続いている。周りはカシやシイの照葉樹で展望はない。前日の雨で道が湿っており、街歩きの靴では滑って登りずらい。まあ、出張途中なので文句は言えない。 |
何とか舳先の艫の間の鞍部に到着。ここから稜線を左手に行けば、舳先である山頂に着くはずだが道がよくわからない。 少し進むと崩壊防止のためか岩の積み重なった斜面にワイヤーが網のように掛けられていた。右手は大岩が張り出して回り込めないので、左手から踏み跡をたどり、ワイヤーをくぐりつつ斜面の上に出る。斜面の上には今までで一番しっかりした道が山頂に向かってついていた。 |
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ワイヤーのネットが掛けられた岩 |
山頂には大きな岩が狭いスペースにひしめき合っている。小さな祠の横に斜めになった大岩があり、これが一番高そうだ。四つん這いになって登りかけたが、靴が靴なので滑って怖い。ここで落ちても誰も来てくれないだろうなあと思って、諦める。 |
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御船山山頂
。右の斜めの大岩が最高地点。 |
山頂からは武雄の街並みが見下ろせるが、灌木が茂っていて足元の梅園は見えない。上からの眺めは素晴らしいだろうと思っていたのだが残念。有明海も見えるはずなんだが、空は霞んでいる。 |
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武雄の街。白いのは佐世保線の高架。 |
登って来た道をそのまま下り、梅園まで戻る。近くの小学生が写生に来ていて、誰もいなかった朝とは打って変わって賑やかになっていた。 茶店の前に緋毛氈を敷いた腰かけが出ていて、コーヒーを淹れていた。いい香りに誘われて、一杯いただく。近くの喫茶店の出店とのことで、今週の週末は一番の賑わいになるとのこと。おばさんは一度も御船山には登ったことは無いそうだ。 |
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写生の小学生で賑わう |
梅園からは車道を歩いてぐるっと南側に回り込み、山頂から見えた御船山楽園に向かう。気温が上がってきてコートを脱ぐ。 |
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御船山楽園からの御船山 |
楽園の前の食堂で「だご汁」と言ううどんのようなものを食べ、武雄温泉までまた歩いて戻り、ひとっ風呂浴びて帰る。 |
[山行日] | 2008/3/6(木) | |
[天気] | 晴れ | |
[コースタイム] | 8:45 武雄温泉 (0:25) 御船が丘梅園 (0:35) 御船山山頂 (0:25) 御船が丘梅園 (0:25) 御船山楽園 (0:30) 武雄温泉 12:30 (計2:20) | |
[地図] | 武雄 (1/25000) | |
[ガイドブック] | 新・分県登山ガイド40「佐賀県の山」 山と渓谷社 | |
[おまけ] | とっても楽しい松本さんの御船山山行記(ふしぎ山) |
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[温泉] | 武雄温泉 ・1300年の歴史を持ち、シーボルトも入ったという古くからの温泉。 ・大衆浴場の元湯、蓬莱湯のほか、家族湯の殿様湯、家老湯などがある。 ・最も安い元湯の入浴料は300円。 ・元湯の湯船は「熱つ湯」と「ぬる湯」の2槽があるが、「熱つ湯」の方は44〜45℃くらいあって、とてもじゃないが熱くて入れない。 ・大衆浴場なので洗い場にせっけんがない。 ・浴用タオル130円。 |
東京駅を設計した辰野金吾設計の楼門 (大正4年建立、国重文) |