納古山( のこやま)                        [美濃]   633m

 

 納古山は中濃の川辺町と七宗町の間にある。低山ながら展望が良く、名古屋からも近いことから意外に登山者が多いらしい。朝起きた時、雲が多かったが「気圧配置が北高型なので北へ行くほど天気がいいだろう」と行ってみることにした。

 木和谷林道の途中に車を止め、登山口の標識に従って中級コースに入る。林道終点から登る初級コースよりも直接山頂を目指すので、こちらの方が距離が短い。

 

 道は沢沿いに登っていて、途中、黄色の小さな標識により左の沢に入る。回りは杉の植林地だが、倒木が多い。正月3日の大雪でやられたのか、まだ最近倒れたような感じだ。幹が途中で折れているもの、山腹から谷へ根こそぎ倒れているもの、雪の重みで幹が弓なりに曲がっているものなど様々だ。


 登るにつれて倒木がどんどん多くなる。最初は跨いだりくぐったりしていたが、そのうち一面倒木になり、倒れた木の幹や枝の上を伝って歩くようになった。枝葉に覆われてどこが道なのかわからない。葉に付いた泥や枝の擦り傷など、先行者のかすかな踏み跡をたどる。あたりは折れた枝や葉から出る杉の匂いでいっぱいだ。

谷を埋める杉の倒木

 

何度か流れを渡り返したあと、登山道は山腹を登って行き、はっきりした巻き道に出る。左にわずかに行くと稜線に出た。稜線には所々露岩が現れるが、方形の節理がはっきりしていて階段を上がるように登っていける。振り返ると背後の山の上に真っ白な御岳が顔を出している。「ねらい通りじゃないか。」嬉しくて先を急ぐ。

初級コースからの道を合わせると山頂は近い。目の前の大岩を左から回りこんで上がるとそこが山頂だった。ところが御岳が見えない。わずかな間に雲がかかり始めていて、ほとんど薄いねずみ色の空に溶け込んでしまっていた。白山と思われるあたりもぼんやりしている。うーん、悔しい。

稜線から山頂手前のピークを望む

 

山頂の石仏(左後方にぼんやりと御岳が見える) 山頂から南西方面(光る筋が飛騨川)
 

 西の方は奥美濃の山々が白く連なっているのだが、残念ながら同定できない。山頂にいた人が一番左に小津権現が見えると教えてくれた。伊吹山が霞みながらも何となくそれと分かり、ぼんやりと養老、鈴鹿の山並みが続いている。足元に近く、飛騨川が光っている。

 

 西側の近くにまるっこい三角の山がワニの背中のように並んでいる。どれも500mそこそこの高さで、並び方が妙におかしい。

 下山後、近くの「日本最古の石博物館」に寄ったら大きな地質模型があって、これらの山は硬いチャートの層が残って出来たということだった。

ワニの背中のような山々

 

 山頂は意外に広く、真中に石仏が立っている。カップラーメンを食べていたら、どんどん人が登ってきて、20人程になってしまった。人気の山のようだ。展望が利くようにならないかと1時間ほど粘っていたが、賑やかくなってきたので下山にかかる。

 帰りは初級コースを下る。マツとコナラの生えた明るい岩がちの尾根を坦々と下る。ヤブコウジとソヨゴの赤い実がわずかに彩りを添えている。
 所々手作りのベンチがあり道は良く整備されている。標識にある「七宗山歩会」の活動によるものだろうか。

ヤブコウジの実

 

尾根道から沢に下ると、中級コースほどではないがこちらも倒木が多い。山頂から1時間ほどで林道に出て、あとは狭い谷沿いに車まで戻るだけだ。

 

納古山には川辺町側からも登山道があるとのこと。手軽に登れるので、もう少し展望がいい日にもう一度行きたいと思う。


アイコンをクリックするとマップがでます。 <上麻生(1/25000)>


[山行日] 2002/1/19(土) 
[天気] 晴れ時々うす曇り
[アプローチ] 名神高速道路 小牧I.C. →(R41)→ 上麻生 →(林道)→ 登山口        [約40km]
・R41から上麻生の街に入り、高山線の踏切を渡ってすぐに製材所の間を左折すると(アスファルト路面に納古山登山口と書いてある)木和谷林道に入る。
・中級コース登山口に約3台、初級コース登山口に約6台、その他林道の所々に駐車スペースあり。
[コースタイム] 中級コース登山口 (0:45) 尾根 (0:35) 納古山山頂 (1:00) 初級コース登山口 (0:15) 中級コース登山口     (計2:35)
[寄り道] 日本最古の石博物館
・R41沿いの道の駅に併設された町営の博物館。
・近くの飛騨川で見つかった日本最古の石を含む「上麻生礫岩」のほか枕状溶岩、ストロマトライトなど珍しい石を展示。
・周辺の大きな地質模型があり、納古山付近の状態がよく分かる。
・入館料:大人500円。月曜休館。


   
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