入道ヶ岳( にゅうどうがたけ)906m、水沢岳( すいざわだけ)1030m [鈴鹿] |
職場の「山歩会」に誘われて鈴鹿の入道ヶ岳に行った。「山歩会」の山行に参加するのは6月の籾糠山に続いて2度目。 入道は20年前の冬に一度登ったことがあり、その時は椿大社から北尾根を登り、二本松尾根を下った。今回は北側の宮妻峡から登り、イワクラ尾根をたどって水沢峠から水沢岳をピストンするコース。歩いたことのないルートなので二つ返事で参加することにした。 |
宮妻峡に9時集合なので家を7時に出たが、湾岸道を走ったら1時間半で着いてしまった。20年前の記録を調べてみたら2時間20分かかっている。鈴鹿も近くなったもんだ。 9時前に全員集合。今日の参加者は総勢12人。出発してすぐに宮妻峡の流れを渡る。飛び石の渡渉で水量が多いと難儀をしそうだ。道はいきなり、山腹をジグザグに切りながらの急登になる。体が慣れてないのでなかなかきつい。しかも風化花崗岩のザレ道で、滑りやすい。先頭集団はかなり早くて、僕も含めた鈍足組はしりじりと取り残される。 写真を撮っていると追いつくのが大変だ。
尾根に出ると、傾斜は緩くなり歩きやすくなる。カマツカやシロモジがトンネル状になっていて、展望は利かないが落ち葉を踏み締めるいい道だ。登山道には緊急連絡用のナンバープレートが立っていて、数字が1からだんだん増えていくので励みにはなるが、山頂が10番なのかは分からない。 |
笹原を登る(標識No.6〜7付近) |
鎌ヶ岳(左)と御在所岳(右奥) |
尾根道は途中からアセビやカマツカの点在する笹原の道になり、一気に展望が開ける。風が無くてモヤっていて遠望は利かないが、隣の鎌ヶ岳は槍のような尖った山頂を見せている。
御在所岳も山頂のロープウエイ駅が良く見える。 No7の標識のところで小休止。笹原はすねくらいまでの高さしかなく、寝転がっても気持ちがいい。お疲れ気味のHaさん、二日酔いのTaさんの到着を待って、先行組は腰を上げ始める。 |
北尾根コースの登山道を合わせると、北の頭。アセビの森の向こうに鳥居の立つ山頂が見えている。カール状の気持ちの
良さそうな井戸谷コースを見下ろし、アセビのトンネルをくぐるとすぐに山頂だった。 イワクラ尾根では場所が無さそうなので、少々早いがここで昼食。すでに広い山頂のそこここで何組ものグループが弁当を広げている。
伊勢平野の方はモヤでほとんど見えないが、山のほうは何とか見渡せる。去年の秋に登った宮指路岳の向こうにキリリとした双耳峰の仙ヶ岳がそびえている。北の方は鎌、御在所の後方に釈迦ヶ岳も見えている。 |
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山頂の鳥居 |
イワクラ尾根の先に水沢岳 |
尾根上の岩を左から巻く |
食事を終えてイワクラ尾根へ向かう。まずはアセビの森の向こうに見えている祠を目指して笹原を横切る。道のそばに鹿の糞が落ちている。
こんなところまで登ってくるのか。 祠の裏からイワクラ尾根が始まる。まずはいきなり急降下。滑りやすい道を木に掴まりながら降りる。降りると今度は登り。また木の枝を掴んで登る。腕が疲れそうな道だ。
尾根は意外に痩せていて、特に北側は崖になっているところもある。尾根の上に工事中の標識があり、すぐ下にコンクリートの堰堤が見えるので治山工事でもやっているのだろう。しかし、こんな上の方まで作業用の車道を作ってしまって、
かえって余計に崩れやしないか心配になる。 |
尾根はアップダウンの繰り返しでだんだん脚が重くなる。水沢岳が近づいてくるが、果たしてピストンする余力があるだろうか。 奥ノ谷道を右に分けて一登りするとやっと主稜線の分岐に着いた。よく考えてみたら入道ヶ岳よりもこちらの方が標高が高いのだ。最初に下った以上に登っているのだから疲れるのも当たり前か。
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ツツジの紅葉 |
分岐からまたアップダウンの繰り返し。ザレ場の上から振り返るとイワクラ尾根の向こうに入道ヶ岳が横長に伸びている。 山腹はところどころ赤や黄色に彩られて白い花崗岩とコントラストを見せているが、紅葉自体はちょっと鮮やかさに欠ける感じ。今年の夏は冷夏だったし、妙に秋が暖かかったので、紅葉はあまり冴えないのかもしれない。 |
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主稜線から入道ヶ岳を振り返る |
降り付いた水沢峠でピストン組と断念組と分かれる。峠は狭い上に風が吹き抜けるので、断念組は先に下ることになった。 ピストン組は5人で荷物を置いて空身で登る。峠からすぐにザレ場の急登で、片手にお茶のペットボトルを持っての登りなので危なっかしい。行程の最後に標高差170mをピストンしようなどというのはやはり元気な人々で、あっという間に置いて行かれてしまった。まあ、行き先は同じだからとぼちぼち登る。ザレた尾根をバランスを取りながら登ると、傾斜が緩くなって前方から「山頂だよー」という声がする。コースタイム40分の所を空身とはいえ、20分で登ってしまった。先行組は15分だったとのこと。さすがー。
水沢岳の山頂は道の真ん中に三角点の石柱があるだけの何の変哲もない所。入道の方は見えるが、北側は木の枝が邪魔で期待していた鎌ヶ岳が良く見えない。南北に細長い山頂の北端まで行って、やっと木の枝の間から間近かに鎌の姿を見ることができた。 |
鎌尾根の先に鎌ヶ岳(水沢岳から) |
山頂直下のシロモジの谷 |
峠まで戻り、再び荷物を背負って沢道を下る。道は沢にからみながらどんどん下っていく。日が翳ったせいもあり、狭く暗い陰気な谷だ。崩れやすい土壌のせいで、根元をすくわれて谷に倒れこんでいる木が多いために荒れた感じがする。ノンビリしたい様な谷ではないが、それにしても皆下るのが早い。僕より年上の人ばかりだと思うが、元気だ。
林道に出て、峠から1時間ちょっとで駐車場にたどり着いた。先発組は駐車場に座り込んで、お茶の支度を始めたところだった。少し前に着いたところだったようで、「早かったねー」と言われる。 |
[山行日] | 2003/11/1(土) | |
[天気] | 晴れ時々曇り | |
[アプローチ] | 東名阪自動車道 四日市I.C. →→ 宮妻峡駐車場 [約15km] ・宮妻峡のキャンプ場の横に大きな駐車場がある。 |
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[コースタイム] | 宮妻峡 (1:20) 尾根上No7の標識 (0:15) 入道ヶ岳山頂 (0:50) 奥の谷道分岐 (0:20) イワクラ尾根分岐 (0:20) 水沢峠 (0:20) 水沢岳山頂 (0:15) 水沢峠 (0:35) 林道 (0:30) 宮妻峡 (計4:45) | |
[地図] | 伊船(1/25000) |