六所山( ろくしょさん)                              [愛知 ・三河] 611m

 

  登山口を探しながら車を走らせていたら、豊田市野外センターの入口まで来てしまった。あれっ、と思ってUターン。ゆっくり下っていったら、左手に登山口の標識があった。「六所苑」という料理旅館の看板の 陰になっていて見落としてしまったようだ。

  しかし、駐車スペースがないので、少し野外センター方向に戻って路肩に止める。 

いのししコース登山口

 

  登山口には「いのししコース」の看板があり、それからずっと「山頂まであと何m」という距離看板が立っていた。

 登山口の六所神社の鳥居をくぐって歩き始める。軽四のトラックくらい通れそうな幅広の道だ。少し登ると山道らしくなり、小さな滝に出る。落ち口に樋のように大きな岩が置いてあり、山の大きさの割にはしっかり水が落ちている。不動滝というよくあ りがちな名前が付いている。

 周囲は六所山原生林というだけあって、二抱え以上もある杉の大木が何本も立っている。

不動滝

 道は沢に沿って登っていく。この道は昔からの六所神社奥宮の参道で、所々石畳のような感じになっている。北斜面で日当たりが悪く、道沿いや沢の石にはほとんど苔が付いている。


 静かな山道を登っていると麓の方から爆竹の音が聞こえる。来るときにのぼり旗が見えたが、今日は六所神社のお祭りらしい。

 

原生林を抜ける登山道


  野外センターに来る児童のためなのか、道沿いの木には樹名板が付いている。ふと見ると樹名板に「ぶな」とある。
  「えっ、こんなところにブナ?」
と思い、双眼鏡で葉っぱを確かめてみたが、確かにブナだった。太平洋側に多いイヌブナだとは思うが、それにしてもこんな低いところにあるとは驚きだ。標高は500mくらいだろう。

  尾根に出ると、反対側から林道が上がってきていた。 ガイドブックを開いて確かめてみるとどうもおかしい。ガイドブックのルートでは山腹で林道を横切るはずだが、ここは尾根の上だ。地形図も出してみると、どうもガイドブックのルートは違っているようだ。「いのししコース」はガイドブックの赤線よりも1本西の破線が正しいらしい。

 尾根を左へたどる。広い尾根道で、じきに六所神社の奥宮に付く。山上にあるにしては立派な社だ。 里宮の方はお祭りのようだが、奥宮の方には行事はないのだろうか。鳥居の注連縄の紙垂(しで)だけが新しい。

 

六所神社奥宮


 神社の脇を抜け、もう一つのお堂の右側を抜けるとそこが山頂。山頂はカシの大木に囲まれていて、展望はない。

 左手にある展望台に寄ってみたが、工事用のパネルで囲って上がれないようになっていた。登山口にも「危険なために展望台は閉鎖してます。」というような看板が出ていたが、すきまぐらいあるだろうと高をくくっていたが、絶対登らせないぞ、という感じで閉鎖してある。乗り越えようかとも思ったが、階段の途中にもパネルが立ててあるのが見えて、さすがに諦めた。ちょっと見には危険なようには見えないがなあ。
 六所山は展望台に登らないと何も見えないので、楽しみがない。展望台の上からサシバの渡りでも見られないかと思っていたので、がっかりしてしまった。

  しかたなしに、そのまま「きつねコース」を野外センターに向かって下る。ヒノキの植林の中の道で、面白みがない。 こんなことなら遠回りでも南の山腹を巡る「うさぎコース」を下ればよかった。
 少々急な道をトントンと下ると、あっというまに野外センターのキャンプ場に出てしまった。 キャンプ場の中を抜けて車のところまで10分ほどだった。

 

里宮付近から
六所山を振り返る

アイコンをクリックするとマップがでます。 (1/50000 カシミール)


[山行日] 2003/9/23(火・祝) 
[天気] 曇り
[アプローチ] 岡崎.→(R248)→ 岡崎市仁木町 →(県道39号)→ 豊田市久九平町 →(R301)→ 豊田市大内町 →(県道)→ 登山口      [約20km]
・いのししコースの登山口は料理旅館六所苑の向かいにあるが駐車スペースはない。
 
[コースタイム] 道路脇駐車スペース (0:05) 登山口(料理旅館六所苑前) (いのししコース 0:25) 林道 (0:20) 六所山山頂 (きつねコース 0:15) 豊田市総合野外センターキャンプ場 (0:10) 出発地点    (計1:15)
[地図] 東大沼(1/25000)
[ガイドブック] 分県登山ガイド 「愛知県の山」 山と渓谷社

   
inserted by FC2 system