三方岩岳(さんぽういわだけ)                    [白山周辺]  1736m


三方岩岳は白山スーパー林道を使えば、ハイキング気分で登れてしまう手軽な山だ。しかし、20年ほど前の就職したての頃に、先輩のSさんから借りた「ぎふ百山」(岐阜日々新聞社発行)で初めてこの山を知ったときには、遙かに遠い山に思われた。
白山スーパー林道は既にあった気がするが、スーパー林道からの登山道は無かったように思う。切り立った岩壁を巡らせた特異な山容を写真で知って、三方崩山とともに飛騨の奥地の憧れの山になった。

 本当は人けの少ない残雪期に、白川郷の馬狩から登って白い白山を眺めたいところだが、スーパー林道ができて登山道ははっきりしなくなっているというし、体力的にも自信がない。といって、いつまでも憧れのままにしておくのも何なので、まあ、妥協して楽をすることにする。(かなり言い訳がましいが。)
石川県側のスーパー林道から見上げる
三方岩岳

 

 先週の台風16号による長良川の増水で国道156号が流失してしまい、通行止めのままなので、北陸回りで行く。中宮温泉でのんびり一泊して、翌朝、スーパー林道の三方岩駐車場から登る。予想以上に登山客が多い。紅葉にはまだ早く、草地が少し黄色くなりかけているくらいだ。

 駐車場のトイレの横から登りはじめる。始めは草地と灌木の山腹を行き、県境の稜線に出ると、それをたどって高度を上げていく。途中、登山道の脇に太いダケカンバがあり、幹がすべすべしていて思わずペタペタたたきたくなる。

 

笈ヶ岳(左)と大笠山(右) オオカメノキ

 振り返ると笈ヶ岳、大笠山が並んで見える。拳を突き上げたような笈ヶ岳と、左右になだらかなだらかなスカイラインを広げる大笠山。対照的な姿だが、どちらも美しい。

 山頂を囲む岩壁のひとつ、越中岩(三方岩)を見上げる草付きを登り、道がゆるくなってきたら、あっけなく山頂に着いてしまった。小さなベンチがあり、山頂の標識が立っているが、地図を見るともう一つ向こうのピークが1736mの標高点のような気がする。野谷荘司山や妙法山まで行くのか、先を目指す登山者も多いが、風が強く、面倒くさいのでここでおしまいにする。

 

ダケカンバ 山頂の北側の岩壁(越中岩) カライトソウ

 南側の白山は残念ながら雲のなか。北側は笈、大笠に続く赤摩木古山(あかまっこやま)や猿ヶ岳。東側は白川郷の谷を隔てて、人形山から三ケ辻山への長い稜線が伸びている。もう少し北の金剛堂山には登ったことがあるが、このあたりの山はなじみがないので20万図を見ながらの同定だ。
雲は多いが、秋雨の時期にこれだけ晴れれば儲っけものか。そう思いつつ山を下りた。

ルートマップアイコンアイコンをクリックするとマップがでます。 <中宮温泉 (1/25000)>


[山行日] 1999/9/18〜19
[アプローチ] 北陸自動車道 加賀 I.C. →(R 8)→ 粟津温泉 →(県道22)→ 白山比盗_社 →(R157)(県道29) 中宮温泉 [約70km]
[コースタイム] 三方岩駐車場 (0:50) 三方岩岳 (0:40) 三方岩駐車場 (計1:30)

 

[温泉] 中宮温泉「にしやま旅館」 tel 07619-6-7219
・日本秘湯を守る会会員。
・夕食、朝食ともに部屋で食べられる純和風旅館のサービス。川魚の山菜を中心とした料理で美味しい。朝食の温泉粥もあっさりしていておいしい。
・内湯は桧風呂。4階のベランダに大桶の露天風呂。
[道路] 白山スーパー林道 tel 076-243-5353(石川県林業公社)
・通行料金  普通車3,150円
・姥ケ滝、ふくべの大滝などみどころ多い。

   
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