錫杖ヶ岳( しゃくじょうがたけ)                        [伊勢]   676m

 

 岡崎を出たときは晴れていたが、鈴鹿山麓は時雨れていた。伊勢湾側は陽射しがあるのだが、鈴鹿の山の頂 あたりは黒い雲の中。東名阪の亀山ICで降りて、鈴鹿峠を越えてもやはり時雨。能登ヶ峰に登ろうとやってきたのだが、どうしたものか。
 能登ヶ峰は笹原が魅力の山なのでやはり天気のいい日にのんびり歩きたい。登山口だけ確認して、亀山の南の錫杖ヶ岳に方向転換することにした。

 車で東名阪を亀山辺りまで来ると正面に鋸のようなギザギザの稜線が見えるが、錫杖ヶ岳はこのギザギザの西端にある最高峰。 東名阪を通るだびにこのギザギザが気になっていて、いつかは登ろうと思っていたが、こんな形で登ることになるとは。
 

 とりあえず錫杖ヶ岳南側にあるダム湖の錫杖湖までやってきたが、地図がないので登山口が分らない。以前読んだガイドブックでは真南から登山道が伸びていたと記憶していたので道を進むと、錫杖ヶ岳の 道路標識があった。
 右折して橋を渡ると、登山者が二人歩いている。こっちらしい。先に進むと北に分かれる林道の分岐に登山口の標識があった。少し先の路肩に車を止める。他にも何台か止まっている。

錫杖湖畔からの錫杖ヶ岳
 

 標識にプレートが貼ってあって、ここは登山道のAコースの入口で、少し西のお寺の脇に遊歩道のBコースの入口があり、稜線上でいっしょになるらしい。

 地図がないので登山コースの全体イメージをつかむために案内図が見たかったのだが 、そんなものはなかった。遊歩道側の入口のほうにありそうな感じもするが、面倒なのでこっちから登ることにする。まあ、ポピュラーな山なので道はしっかりしているだろう。

Aコースの登山口 (左側の林道に入る)
 

 林道はやや荒れた感じだが、周りの木が伐採されているので今も使われている道なのだろう。道の脇のフユイチゴがわずかに彩を添えている。

 10分ほどで標識に導かれて山道に入る。 周りは杉の植林地。間伐はされているようだが、陽射しがないので暗い林だ。山の姿から想像して、一本銚子の登りかと思っていたが、そうでもない。急な登りもあるが、山腹を巻いたり、沢を横切ったりして意外に変化がある。しかし、 周りはやっぱり植林地。あまり面白い道ではない。

  稜線に出たら矢印が左を指している。どうやら錫杖ヶ岳から東に伸びるギザギザの主稜線に出たらしい。急な尾根道を登ってピークに出たら、樹林の向こうに山頂らしい尖った峰が見えた。一旦少し下って登り返す。

杉の植林地を登る
 

  ベンチで食事をしているグループがいてそこに左から道が上がって来ていた。これが遊歩道らしい。さらに登ると10人以上のグループが降りてきた。山頂手前で南側へ馬酔木の生える山腹を巻くと、その先には場違いなほど大きな休憩所があって、ここもグループで一杯。どうやら人気の山らしい。

  山頂へは休憩所からひと登り。柚之木峠へ続く道を左から合わせて右に稜線をたどると、すぐに大岩の山頂に到着。ここでも数組のグループが食事中だ。
 

錫杖ヶ岳山頂
 
山頂から東への稜線
 

  東側の 眼下に錫杖湖が見下ろせ、その向こうに日を浴びた伊勢平野が広がる。その又向こうはキラキラ光る伊勢湾で、その先には知多半島が横たわっている。右から回り込んだ志摩半島の先にぽつりと神島が浮かび、その先の渥美半島は知多半島の後へ回り込んでいる。 頭上は暗いが、向こうは明るい。
  振り返ると鈴鹿の山々だが、こちらは雲の中。近くにあるはずの高畑山や那須ヶ原山も見えない。わずかにおととし登った明星ヶ岳がなんとか山頂まで見えている。
鈴鹿の方から灰色の雲が頭上に流れてきて、伊勢平野のほうへ流れていく。時々時雨や雪の切れ端を落としていく。
 

錫杖湖を見下ろす
 
北側の仏ヶ平(左)と寒風(右)
 

  下りは遊歩道を下る。急な尾根を下ったあと、道は登りと同じように杉の植林地の山腹をジグザグを切りながら降りていく。丸太の階段が多く、歩幅が合わず歩きにくい。段差が大きくて、膝に持病のある自分には少々つらい。悪いとは思いつつ、つい階段の外を歩いてしまう。こういうことをすると道が崩れやすくなって、良くないのはわかっているのだが。
 

 沢を横切って巻き道になると、山道とは思えない白いガードパイプが表れる。幅のある道で転落するような感じではないのに、この過剰な対応はなんだろう。 遊歩道だからと言ってここまでしなくても、と思う。

  暗い林の前方に大きな瓦屋根が見えてきて、突然お寺の横にでる。ここが遊歩道の出発点。トイレはあるが、案内図は無かった。ぶらぶらと川沿いの道を歩いて車まで戻る。

下山口の本法寺

  展望のいい山だが、植林が多くて登山道自体はあまり面白くない。今回は急なことで、地図がなかったので判らなかったが、山頂から稜線を西にたどり、柚之木峠 経由で下ってきた方が面白いかもしれない。柚之木峠からの下りはガイドブックには記載がないのでどんな道かは判らないが、稜線は変化がありそうに思う。

  毎度おなじみの亀山の150円の温泉に入って帰る。


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[山行日] 2003/12/13(土) 
[天気] 曇り時々晴れ一時小雪
[アプローチ] 名阪国道 関I.C. →(県道)→ 芸濃町役場. →(県道)→ 登山口  [約13km]
[コースタイム] Aコース登山口 (0:10) 登山道分岐 (0:30) 尾根 (0:30) 錫杖ヶ岳山頂 (0:20) 沢を横断 (0:25) 本法寺 (0:05) 登山口    (計2:00)
[地図] 平松(1/25000)
[ガイドブック] 分県登山ガイド  「三重県の山」  山と渓谷社

 

[温泉] 亀山市総合保険福祉センター 「あいあい」 tel 05958-4-3311
・亀山市羽若町545
・入浴料なんと150円。入浴税だけで、実質無料のようなもの。
・営業時間10:00〜20:00。火曜定休。
・露天風呂あり。
・石けん、シャンプーは有料販売。ドライヤーあり。
・建物の外見は体育館のようだが、明るい浴槽で気分が良い。

   
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