岩菅山( いわすげやま) [上信越] 2295m |
まだ独身だった頃。グループで志賀高原にスキーに来て、寺子屋スキー場から雪の岩菅山を見た。きれいな山だった。調べてみると、その頂きを越えて秋山郷の切明という秘境の温泉へ下りられるらしい。岩菅山はあこがれの山になった。 それから幾星霜。長野オリンピックの時は岩菅山に危うく滑降コースが造られるところだった。山の方はなんとか開発から逃れられたものの、こっちの方は切明温泉まで縦走する元気はすっかりなくなってしまった。でも、岩菅はずっと気になっていて、昨年やっと登りに来ることができたが、運悪く台風。今年は2度目のトライとなった。 |
本白根山に登った翌日、石の湯温泉から一ノ瀬へ。天気が良ければ東館山から寺小屋山を越えて尾根伝いのコースをとる予定だったがあいにくの曇天。しかも下り坂。コースタイムの短い聖平登山口からのピストンにした。
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聖平の登山口 |
両側を背の高いササに遮られた急な丸太階段を登りきると、一ノ瀬からの道に出会う。小三郎小屋跡の標識がある。
ここからは上条用水路に沿ったほとんど水平の道をたどる。時期はずれのためか、用水の水はほとんど流れていない。 |
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ムシカリの実 |
小さな沢を渡ってしばらく行くと、左手の沢音が大きく近づいてくる。滑らかな岩盤の上を澄んだ水がしぶきとなって跳ね、夏だったらさぞ涼しげだろう。アライタ沢というらしい。漢字を当てれば荒板沢か。 用水路の取水口があり、そのそばの橋で対岸に渡る。 |
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アライタ沢(右端が用水路) |
山腹に取り付くと、針葉樹の森の中に丸太階段が続いている。途中、緩やかになるところもあるが、また階段が続く。中間点という標識のある尾根の上に出てやっと丸太階段から開放される。ここまで来ると樹林もまばらになり、寺子屋スキー場のほうが開ける。雲は広がっているが、なんとか展望はききそうだ。 尾根をたどると反対側に岩菅山も見えてくる。早くも下りてきた人が、山頂の眺めはいいですよと言ってくれる。はたして僕らが登るまでもってくれるだろうか。 |
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ゴゼンタチバナの実 |
ノッキリまで来ると、東館山のほうからやってきた人を加え、とたんに賑やかになる。あとは山頂目指して登るだけ。
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岩菅山を見上げる |
山頂には30人ほどの人がいて、みな昼食をとっている。
展望は何とか間に合った。振り返ると横手山の向こうに昨日も見た四阿山が三角にのぞいている。志賀高原のシンボル、笠ヶ岳も見える。東側の魚野川の源流は深い谷に沈んでいる。 |
横手山 | 裏岩菅山 |
山名板をバックに記念写真を撮ってもらおうとしたら、デジカメの電池が切れてしまった。充電式の単三電池2本を使うのだが、予備の電池でもうまく行かない。もうひと組の予備の電池でもダメ。二組ともうまく充電できていないらしい。以前にも充電不良はあったが、まさか二組ともとは。唖然、悄然、声にならない。せっかく間に合った展望も撮れないとは。弁当を食べても腹にうまく収まらない。女房の声も上の空。 |
弁当を食べ終わって、ふっと閃いた。 あわてて周りの景色と記念写真を撮る。待っていたかのように斜面をガスが上ってきた。
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山頂にて |
山頂には避難小屋がある。かなり古く、窓が小さくて暗いが、ストーブもあって十分使えそうだ。外には新しいトイレも設置してあった。
三角点の横には小さな石の祠があり、登山者が供えたのか、みかんが並んでいる。登山の無事を祈ってお参りし、下山にかかった。裏岩菅へは行けなかったが、念願かなって満足、満足。 |
アイコンをクリックするとマップがでます。 <岩菅山(1/25000)>
[山行日] | 2002/9/22(日) | |
[天気] | 曇り | |
[アプローチ] | 志賀高原石の湯. → 一ノ瀬 → 聖平登山口駐車場 [約4km] 10台くらいの駐車スペースあり |
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[コースタイム] | 聖平登山口 (0:10) 小三郎小屋跡 (0:25) アライタ沢(岩巣護橋) (0:45) 中間点 (0:30) ノッキリ (0:35) 岩菅山山頂 (0:25) ノッキリ (0:30) 中間点(0:30) アライタ沢 (0:30) 聖平登山口 (計4:20) | |
[ガイドブック] | 「分県登山ガイド 長野県の山」 山と渓谷社 |
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[宿] |
温泉保養センター 「雄川閣」 tel
0257-67-2252 ・秋山郷の一番奥、切明温泉。 ・和風の民家造りの温泉宿。 ・男女別の内風呂。混浴の露天風呂(水着着用可)。外来湯も可。 ・食事は朝夕とも食堂で。 ・宿の前の河原を掘ると露天風呂ができることで有名だが、雨降りだったので入りに行く根性がなかった。 |