志賀山・四十八池( しがやま・しじゅうはちいけ)          [上信越] 2036m

 

 白根レストハウスで昼食を食べている間に雨になってしまった。

 本白根山に登るつもりでやってきたが、台風の影響は予想外に早かった。須坂ICから万座を経由して上がってきたのだが、万座の手前までは青空ものぞいていて、笠ヶ岳がよく見えていたのに。

 雨がやむのを期待して濃いガスの中、傘をさして弓池のそばの湿地を一回りする。湿地の周りにはオヤマリンドウが花盛りだった。アキノキリンソウもたくさん咲いていて、青と黄色のコントラストが美しい。

 

オヤマリンドウ(弓池にて)


 雨は少し小降りになったが、相変わらず濃いガスが立ち込めたままなので、本白根はあきらめて四十八池巡りに変更することにした。


 硯川まで下ってくると雲を抜け、青空も見えてきた。サマーリフトにのり、前山から四十八池を目指す。ハイキングのグループがたくさん帰ってくる。
 

 少し行くと渋池。きれいな池だ。天気がよければ池の奥に横手山が見えるらしいが、今はガスの中だ。時々陽も射すが、針のように細かい雨が絶えず落ちてくる。

 道は軽自動車くらいは走れそうな幅広の砂利道で、鉢山の北を巻いて延びている。周りはコメツガやシラビソの針葉樹の森だ。
 志賀山への道を左に分け、なおも巻き道を進むと左手に湿原が見えてくる。湿原の入り口に休憩所があったので、雨を避けて一休み。ハイカーはもう引き上げてしまったのか他に誰もいない。

 

渋池

 雨具のズボンをはいて準備を整え、湿原の木道に出る。一面、白いガスがかかって幻想的だ。遠くまでは見えないが、四十八池というくらいで池塘もたくさんあるようだ。
 湿原はもう茶色く色付いていて、秋の気配がする。ウメバチソウがたくさん咲いていて、白い星が落ちているようだ。
ウメバチソウの咲く湿原 イワショウブの実

 地形図に載っている湿原の北を通って戻る道はなく、志賀山経由で帰る。前山リフトの終了時間が4時なので急がなければならない。
 

 裏志賀山の登りは赤土の滑りやすい急坂で、ロープがさがっているところもあった。天気がよければ大沼池が青く見えるそうだが、このガスでは望むべくもない。
 登りきったところに裏志賀山山頂への分岐があるが、時間がないので先を急ぐ。木の根の急な坂を下りると、草原に出て、また志賀山を登り返す。木がないところでは風が強い。

 再び樹林に入ると志賀山の山頂だった。三角点以外は何もない。志賀高原の中心の山であるが、晴れていても展望はあまり良くなさそうだ。

 

 

志賀山山頂


 4時まで、あと45分しかない。リフトの往復券を買っているので、間に合わなくてリフトの横を歩いて降りるのはくやしい。こんなことなら、片道にすればよかった。

 志賀山からの下りは岩だらけの急な道だった。こっちも滑りやすい。注意しながらも走るように下る。木の根をまたいだ拍子に持病の腰がピリッときたが、スピードを緩めてはいられない。途中、左手に池が見えた。旧噴火口の釜池のようだ。

 往きに通った遊歩道に出てほっと一息。もう大丈夫。4時には充分間に合うだろう。あとは砂利道をのんびり下るだけ。皮肉なことに雨も止んできた。

 前山リフトの乗り場に着いたのは3時50分だった。そのままリフトに乗って下に降りたが、驚いたことにまだリフトを上ってくる観光客がいる。よく考えればお客さんがいれば少しは延長するよな。急いで降りてきて損してしまった。

  国道脇の田ノ原湿原に寄り、ここでも黄色く色付き始めたヤマドリゼンマイやリンドウを楽しんで宿に向かう。
田ノ原湿原


アイコンをクリックするとマップがでます。 <岩菅山(1/25000)>


[山行日] 2001/9/8(土) 
[天気] 霧雨&ガス
[アプローチ] 上信越自動車道 須坂長野東I.C. →(R403)→ 須坂 →(県道54号 須坂中野線)→ 高山村 →(県道112号、466号)→ 万座温泉 →(県道466号)→ 白根レストハウス  [約40km]

白根レストハウス →(R292志賀草津高原ルート)→ 硯川 →(前山サマーリフト)→ 前山 

[コースタイム] 前山 (0:40)  四十八池 (0:10) 志賀山登山口 (0:30) 志賀山山頂 (0:35) 前山    (計1:55)
[アドバイス] ・四十八池の湿原の北側を志賀山の麓を通って前山に帰る歩道は、2万五千分の1地形図に載っているが、実際にはない。
[宿] 石の湯ロッジ(志賀高原石の湯)
・国道から少し離れた静かな宿。
・天然温泉で24時間入浴可能。
・夕食時に食堂外のベランダにタヌキが2匹やってきた。冬にはテンが来ることもあるそうだ。


   
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