宮路山(みやじさん)361m、 遠見山(とおみやま)194m、新宮山( しんぐうさん)84m       [三河]

 

 昨年1月に宮路山から稜線伝いに五井山、御堂山、砥神山と歩いた。今回は Tuさん、Ta君を誘い、宮路山から反対方向へたどってみることにした。
 計画では前回と同じく名鉄の名電赤坂駅から歩く予定だったが、少し出発が遅れたので車で登山口まで行き、下山後、国府駅から電車で名電赤坂まで戻って車を回収することにした。

 前回とは違ったルートで登るために、旧東海道から「音羽町保健福祉センター」への標識のところで山に向かう道に入る。少し行くと右手に宮道天神社の鳥居が見え、その前の駐車スペースに車を止める。

 道をはさんだ向かいには立派なトイレができている。ここから宮路山に登る人も多いようだ。
 見れば赤坂の駅の方から歩いてくる人もいるし、福祉センター前に車を置いて山に向かうグループもいる。宮路山は車でも登れるが、ハイキングコースとしても人気が高い。

 

宮道天神社の前
 

 福祉センターを過ぎると道は林道風になり、5分も歩かないうちに標識が現れる。真っ直ぐは宮路山50分、左は奥の院40分。左のルートをとる。直ぐに砂防堰堤の工事現場に出るが、標識により右手の尾根に導かれる。ここから山道になる。

 このコースは宮道天神社の奥の院の参道で、よく踏まれているがなかなかきつい登りだ。みるみる高度が上がり、岩がちの尾根から音羽町の街並みが見渡せるところもある。植林のところもあるが、コジイやスダジイの大木がそびえるところもある。
 この時期のお決まりのように、ミヤマシキミの赤い実だけが暗い森に彩を添えている。しかし、ミヤマシキミは実をつけている株もあれば、花をつけているものもある。実が熟すまでに1年かかるのだろうか?

 

 宮路山からの稜線に出たところに宮道天神社の奥の院が建っている。山上にしては立派な建物だ。祠なんてレベルではなく、中を覗いてみると造作も立派だ。

 お参りをすませて、まずは宮路山の山頂に向かう。一旦、稜線を下ったところに右手から道が登ってきている。下で別れたコースはここに繋がっているのだろう。宮路山の山頂はそこからすぐだった。

宮道天神社奥の院
 
 山頂はコアブラツツジの花の時期ほどではないが、かなり賑わっている。正午前だが、展望が気持ちいいので風のない場所を選んでお昼にする。カップラーメンなどを食べると暑いくらいのいい陽気で、見下ろす豊橋の街の方は霞んでいる。埋立地の先の三河湾は逆光にキラキラ光り、まるで春のようだ。
 Tu さんの中国旅行の写真などを見せてもらいながら1時間ものんびりと過ごす。
 
 さて、そろそろ遠見山に向かおうかと、腰を上げて歩き始めたら、Ta 君の靴の底が剥がれかけていた。最近のシューズは底がウレタンなので、劣化すると突然壊れてしまう。

 まだ、即歩行不能という状態ではないが、縦走途中で剥がれてしまうと困るので、田中君はここから下山することになった。僕とTu さんだけ先に進み、Ta君には車を下山地点まで 回してもらうことにした。

宮路山山頂から遠見山を見下ろす
 

 奥の院を過ぎると稜線の道はぐっと踏み跡っぽくなる。それでも地図にないこんなコースを辿る人がいるようで、道はヤブに邪魔されることなく続いている。植林のところはあまりないが、稜線のどちらもヤブ状態で展望が利かないのが残念。

 いくつか稜線上のコブを越え、赤坂方向へ下る尾根を左手に分けるピークから南東へ下る。下りきったところは小広い鞍部で前方に高圧電線が横切っている。高圧線の下は切り開きになっていて潅木混じりの草地になっている。潅木の枝先が同じような高さで切られたようになっているのは、きっと鹿が食べた跡なのだろう。本宮山の方から危険な国道1号線を横切って 、ここまで鹿がやってくるのだろうか。

 高圧線をくぐってなおも尾根を進む。だが変だ。尾根が下っていかないし、高圧線も尾根から離れることなく続いている。コンパスで確認すると、どうも御油に向かう尾根に入ってしまったようだ。
 先ほどの高圧線下まで戻り、草地を分けて左手の高圧鉄塔に高みに登ってみる。高圧鉄塔の下に踏み跡があって、南寄りの方向に続いている。こちらの方が正解のようだ。先ほどの小広い鞍部で分岐を見落としたようだ。
 

 踏み跡を下ると溝状に抉られたような峠に出る。小さなブリキ板に短歌のようなものが書き付けてあり、灰野坂の文字が見える。

 峠の西寄りには小さな祠があり、馬頭観音が安置してあった。昔は近隣の人たちの生活道路だったのだろうと思われる。
 静かで落ち着いたいい峠だ。

灰野坂峠
 
 峠から稜線を少し登ると、突然道路の法面の上に出る。工事中の「東三河ふるさと公園」という県営公園の一角だ。
 造りかけの車道を東に進むと、これも工事中の展望台が立つ遠見山の山頂に着く。
 
遠見山山頂手前から宮路山を振り返る
 
 削り残された山頂の上に三角点があり、その下のベンチからは豊橋平野が一望に見渡せる。宮路山よりも標高は低いが、平野に近づいている分だけよ り展望が開ける。平野の向こうの弓張山地が邪魔をしているので、富士山は見えないかもしれないが、初日の出には絶好のスポットになりそうだ。
 
遠見山から新宮山に続く稜線  (右手遠くの低い山が新宮山)

 

 一休みして、なおも東の新宮山に向かう。稜線の道は先ほどよりもはっきりし、歩きやすい。
 リョウブ、コナラ、タカノツメなどの落葉樹も混じり、明るい感じがする。コバノミツバツツジもそこそこ見られるので、春先に歩くと楽しいだろう。

黄色いタカノツメ、茶色のコナラ
 

 どんどん高度が下がり、明るい峠に降り立つ。御津高校北側の峠のようだ。峠からまだ踏み跡は続いているのでなおも東へ進む。
 稜線がはっきりしなくなってきたな、と思ったら突然踏み跡を見失った。周りはヤブで一面に羊歯がはえている。ヤブの薄い所、羊歯の丈の低いところを選んで進むと、フェンスで囲まれた小さな配水所のような ものに突き当たる。山裾の様子が覗え、どうも目的地の国府高校のすぐ南側にいるようだ。このまま下ってもいいのだが、新宮山まで行きたいのでなおも稜線を進む。

 直ぐ先にガレ場があり、木の枝に掴まって鞍部に降り、再び木の幹を手がかりに稜線に登り返しガレ場を越える。その先は踏み跡らしきものがあり、すぐに車道に出てしまった。これが国府と御津を結ぶ道路のようだ。
 

 東に車道を進み、地図を見て適当な所から踏み跡らしきものをたどって雑木の斜面を登る。わずかな登りでヤブが少し薄くなった程度の広場に出た。

 右手に四角い台座のような石碑がある。ここが新宮山の山頂のようだ。展望は全くない。石碑には大隈重信の名前が見えるが、内容はよく分からない。
 石碑のそばには「北白川宮殿下御休憩記念樹」と彫られた1m程の石柱が立っているが、碑文と何か関係があるのかもしれない。

新宮山山頂の石碑
 


 新宮山からは舗装された車道を下る。国府高校の横の道で Ta 君が車を止めて待っていた。Ta 君は奥の院と宮路山頂の鞍部の道を下ったそうだが、その道は割合簡単に林道に降りることができ、やはり標識の分岐に繋がっていたそうだ。幸い、靴も下山まで壊れずにもってくれたようだった。


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[山行日] 2004/12/11(土) 
[天気] 晴れ
[アプローチ] 岡崎 →(R1)→ 音羽町宮道天神社前  [約20km]
神社鳥居前、神社横などに10台くらい駐車可能。神社の向かいにきれいな公衆トイレあり。
[コースタイム] 宮道天神社 (0:45) 宮道天神社奥の院 (0:05) 宮路山山頂 (0:50) 灰野坂峠 (0:20) 遠見山山頂 (0:25) 御津高校北側の峠 (0:10) 車道の峠 (0:10) 新宮山山頂 (0:15) 国府高校     (計3:00)
[地図] 「御油」「小坂井」(1/25000)


   
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